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ー計装で取り扱う機器4種類|必要なスキルまで分かりやすく解説ー

計装とは、生産工程などを制御するために、測定装置と制御装置を取り付け、測定・制御することを指します。計装に携わる人でなければ、なかなか耳にする機会が少ない言葉ですよね。

しかし、今後、ますます機械化が進んでいけば、計装がもつ役割は重要といえます。計装がなければ、機器が不具合を起こしたり工場であれば生産ラインが止まってしまったりと、トラブルが発生する恐れがあるからです。

本記事では、計装で取り扱う機器の種類について詳しく解説します。それぞれの機器が担っている役割をしっかり理解すると、今後計装の仕事に携わる場合、どの計器が必要なのか分かりやすくなるでしょう。

計装で取り扱う機器の種類

計装で取り扱う機器は、大きく分類すると、以下の4種類になります。

  • フィールド機器
  • 制御機器
  • フィールドネットワーク機器
  • 防爆機器

それぞれ詳しく見てみましょう。

1.フィールド機器

フィールド機器とは、プラント運転に欠かせない圧力・流量・温度などを測定する機器のことです。流量計・液面計・圧力計・温度計・分析計などがそれにあたります。

たとえば、流量計とは、その名のとおり、流量を計測するための計器です。流量計を通過した液体や気体などの速度や量を単位時間ごとに計測します。

液面計はタンク内の液体残量が分かるようにタンク外部に設置される機器です。それだけでなく、気体と液体や気体と紛体といった異なる物質同士の境界線を測定する機械のことは、レベル計とも呼ばれます。

圧力計は、実は家庭で使用される水道やガスにも設置されています。圧力計で管理されているからこそ、安全に使用できるのです。工場の場合は、配管を使用して流体を制御するために圧力計が使われます。

分析計は、分析するものに応じてさまざまな種類があります。なかでも、工場で使用されるのはプロセス分析計です。プロセス分析計は、主に液体物やガスなどの粘度・濁度・濃度などを分析するために設置されます。

2.制御機器

制御機器とは、機械やシステムの起動や動作の判断をする機器のことです。具体的には、変換器・受信機器・制御機器などがあります。

変換器とは、フィールド機器からのセンサやその他の計装設備のアナログ信号などを、上位システムが取り込めるように変換する機械のことです。

受信機器とは、指示計や記録計・表示器などのことを指します。フィールド機器で計測した結果を任意の単位に変換し表示するのが役割です。

制御機器のなかには、PLC・調節計・コンピューター・電源装置などがあります。

PLCとは、製造業の設備や機器をコントロールする制御装置のことです。組み込まれたプログラムに応じて処理を行い、接続された出力機器の制御を行います。

実は、PLCは電子レンジや冷蔵庫などの家庭電化製品にも使用されている機械です。普段、生活していて気付くことはなかなかありませんが、計装機器は意外と身近に存在しています。

3.フィールド通信機器

フィールド通信機器は、制御機器とフィールド機器をケーブルでつなぎ、動作指示や状況などの情報を相互にやり取りするために必要な機器です。フィールドバス・フィールド無線・通信機器がこれにあたります。

フィールドバスとは、プラントで稼働しているフィールド機器と制御機器の信号のやり取りをシリアル通信を用いて行う装置です。シリアル通信とは、データを送受信するための伝送路を1本もしくは2本使用して、データを連続的に送受信する通信方法のことを指します。

一方、フィールド無線とは、プラントに設置されているフィールド機器と制御機器などの上位システムとの間を無線化して通信する方式です。無線なため、配線が困難な場所にも機器を配置できます。また、通信ケーブルなどのコストも削減可能とメリットの多い方法です。

通信機器のなかには、多重伝送装置やテレメータなどがあります。多重伝送装置とは、アナログ信号や接点信号などの多くの信号を1対の計装ケーブルを使用して伝送する装置のことです。ノイズが発生しやすい場所や過酷な電界環境でも正確に信号を送れるのがメリットの一つです。

4.防爆機器

防爆とは、爆発の恐れがあるガス・蒸気・粉じんなどが電気火花などの火種によって爆発を引き起こさないように、技術的な対策を施すことを指します。一般的に、石油精製工場や化学プラントなどが設置される場所です。

防爆に関しては、労働安全衛生法・電気事業法・消防法の3つの法律のなかで定められています。また、使用する防爆機器に関しても、国で認められた検定に合格しなければなりません。

爆発の危険がある場所は、特別危険箇所・第一類危険個所・第二類危険箇所の3つに分類されます。そして、それぞれの場所に適用可能な防爆構造が備わっている機器の設置が必要です。

防爆構造の種類は、主に以下の8種類です。

  • 耐圧防爆構造
  • 本質安全防爆構造
  • 内圧防爆構造
  • 安全増防爆構造
  • 油入防爆構造
  • 特殊防爆構造
  • 非点火防爆構造
  • 樹脂充填防爆構造

上記の防爆構造を備えた機器を使用することで、設置する電気機器自体が着火源にならないことを目的としています。

計装の仕事に求められるスキルとは

ここまで計装で取り扱う機器について解説してきました。これらの機器をプラントの目的に合わせて適切に設置・稼働させる必要があります。

この作業を行うのが、計装の仕事です。計装の仕事に求められるスキルは以下のようなスキルでしょう。

  • 実務経験
  • 電気工事に関する基礎知識
  • プログラミング知識

特に、プログラミング知識については、これからの計装業にとって必要不可欠なスキルといえるでしょう。上記で紹介した機器を接続し、コンピューターを用いて実行してほしい指示を作成・入力しなければなりません。指示を間違えれば、最悪の場合、制御機器が働かず、事故につながる恐れもあるので、計装にとって大切なスキルです。

まとめ

計装で取り扱う機器は、大きく分類して、フィールド機器・制御機器・フィールド通信機器・防爆機器の4種類です。プラントで使用する物質の流量や圧力を計測し、それを正しく制御することで、工場の製造ラインは安全に稼働しています。

計装の仕事にとって必要なスキルは、実務経験・電気工事に関する基礎知識・プログラミング知識です。特にプログラミング知識は、事故を防ぐために重要なスキルといえます。

今後、ますます機械化が進むと予想される業界です。正しい知識を身につけることで、長く働くことが可能な職種といえるでしょう。

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