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ー計装工事と電気工事ってなにが違うの?それぞれに必要な知識や資格も解説ー

電気工事はよく聞く言葉ですが、計装というワードには聞きなじみのない人も多いはず。計装とは、機械の制御を行う装置を設置し、計測・制御を行うことです。

計装と電気は密接な関係があり、よく意味を混同してしまいがちです。しかし、厳密にいうとそれぞれに違いがあります。

本記事では、計装工事と電気工事の違いを解説し、それぞれに必要な知識や資格を紹介します。これから電気関係の仕事に就きたいと考えている人やそもそも計装に興味があるという人は、本記事を参考に知識を深めてみてください。

計装工事と電気工事の違い

計装工事は前述したとおり、機械の制御を行うシステムの設計と設置を行う工事のことを指します。一方、電気工事は機械が使えるように送電設備や変電設備を整える工事のことです。

それぞれをさらに詳細に解説します。

計装工事とは

機械の制御システムを構築することを計装工事といいます。具体的な工事内容としては、センサー配線・防爆工事・LAN工事・制御機器配線など制御機能を組み立てることです。

分かりやすい例でいうと、車を思い浮かべてください。車には、スピードメーターや燃料計が備わっていますよね。それによって安全に運転することが可能になるわけです。

同様に、工場では複雑な生産工程のなかでさまざまな機械を使用します。なかには24時間稼働させる場合もあり、その負荷は大きいものです。

トラブルに気付かないまま、機械の稼働を続けると、大きな事故につながる恐れもあります。そのため、機械に温度計や圧力計など計測器を設置し、一定の数値を超えたら制御装置が働くようなシステムを構築する必要があるのです。

電気工事とは

電気工事とは、発電所や変電所からそれぞれ必要な場所まで電気を届ける道をつくる工事です。人々の生活にとってなくてはならない存在となった、電気。

電気は、発電するだけで使えるわけではありません。電気工事によって、屋外にある電線を建物内に引き込んだり施設内に電源やケーブルを配置して電気を使用できる状態にしたりします。

特に新しい建物を建設する場合、ゼロから電気系統の配線を設計する作業が必要です。電気工事はちょっとしたミスから火事や感電などの事故につながることもある、危険を伴う工事でもあります。

そのため、電気工事には専門的な知識と緻密な仕事が要求されます。

必要な知識・資格の違い

それぞれに深い関わりのある計装工事と電気工事ですが、特に必要な知識と資格があります。

計装工事に必要な知識

計装工事に必要な知識は以下のようなものです。

  • DCSやPLCなどの制御管理システム
  • ネットワーク
  • 制御方式
  • センサー
  • 防爆

DCSとは、日本語で分散制御システムとも呼ばれ、工場の監視を行う制御システムのことです。一方、PLCとは、プログラム可能な論理制御装置のことで、さまざまな機械や装置の制御に利用されています。

設置する施設によってさまざまある制御管理システムを使い分けられる知識をつけることが大切です。

ほかにも、インラインセンサーと呼ばれる、配管やタンクで直接計測を行えるセンサーの活用や可燃性のガス・蒸気などによる火災や爆発を防ぐ防爆構造の理解など、幅広い専門的知識が必要になります。

計装工事に関する資格

計装士という、一般社団法人日本計装工業会が認定している民間資格があります。1級と2級があり、どちらも受験するには実務経験が必要です。

未経験でも挑戦できるのが計装の仕事のメリットなので、現場で経験を積みながらスキルアップとして資格取得を目指すのがよいでしょう。

電気工事に必要な知識

電気工事に必要な知識は、以下のようなものです。

  • 高圧受電設備
  • 低圧受電設備
  • モーターなどの動力機器

このなかでも、特に高圧受電設備に関する知識は重要です。高圧受電設備とは、高電力を使用できる電圧まで下げる役割のある設備のことを指します。

工場など大きな電力が必要な施設では、6600Vもの高圧電力を受電し、設置されている高圧受電設備によって変圧することで使用できる状態にしています。

そのような設備の機器構造を理解し、設置できる知識が電気工事には必要です。

電気工事に関する資格

電気工事に関する代表的な国家資格は、電気工事士です。電気工事士には、第一種と第二種があり、それぞれ行える電気工事の範囲に違いがあります。

工場やビルなどの大型施設の電気工事に携わるためには、第一種電気工事士の取得を目指すとよいでしょう。第二種に比べて仕事内容の幅が広がり、給料アップも期待できます。

計装エンジニアの仕事をするなら電気の知識は必須

計装エンジニアには、電気の知識が必須です。実際の現場でも、計装エンジニアが電気工事士の資格を持っていると役立つ場面が多々あります。

計装エンジニアが電気工事士の知識が必要な理由は以下のとおりです。

  • ほとんどの計器の工事が行える
  • 一緒の現場で働く電気工事スタッフとの会話が理解できる
  • 電気図面を読み書きできる
  • 知名度が高い電気工事士の資格によって転職など有利
  • 計装士の対策になる

たとえば、電気工事士の資格を有していると、100V計器の取付工事やメンテナンスが可能です。もし、電気工事の知識がない場合、DC24V計器の取付工事などは行えますが、他の有資格者に作業を頼る場面が出てきてしまいます。

また、電気工事士は知名度の高い国家資格です。転職や昇給に有利な資格といえます。

しかも、電気工事士を受けるために特別な受験資格はありません。誰でも受験が可能で、独学の合格も狙える資格です。

一方、計装士の資格は実務経験が必要なので、受験するまでにハードルがあります。電気工事士と計装士には共通の出題内容があるので、まず受験資格のない電気工事士の取得を目指し、計装士の経験を積んでから受験するという流れがスムーズでしょう。

まとめ

計装工事は機械の制御システムを構築する工事なのに対して、電気工事は機械が使えるように発電所などから電気を供給する道筋を作る工事のことを指します。

細かく分類すると違いのある2つの工事ですが、計装工事を行うためには電気工事の知識が必要など密接に関係するものです。

これから計装や電気に関わる職業に就きたいと考えている人は、まずは受験資格のいらない電気工事士を目指し、実際の業務に携わってからスキルアップとして計装士の資格を取得するとよいでしょう。

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